映画の著作物-著作権の保護期間(6)-

「映画の著作物」

ビデオカメラの歴史を紹介するための素材として、1953年の「大学サッカー大会」の決勝戦の映像を我が社のホームページに掲載したいと考えた。この映像は、出身大学の図書館に映像資料として所蔵されているもので、理工学部の故A名誉教授がまだ大学院生の頃に、ご自身の論文のために撮影したものだという。論文は、この映像とともに1953年に発表されている。なお、A名誉教授が亡くなったのは、1998年であった。
映画の著作物の場合、保護期間は公表後70年とされている。あと数年後には、パブリックドメインになるということだ。それまでの使用料ということであれば、会社の稟議は通るだろう。果たして、問題はないだろうか。

→現行著作権法は、映画の著作物の保護期間を公表後70年としています。現行著作権法に基づけば、1953年に公表された映画の著作物は、2023年12月31日に保護期間満了となります。しかし、1953年当時の旧著作権法においては、映画の著作物の保護期間は著作者の死後30年、1969年の延長措置により死後38年となりました。旧著作権法に基づけば、保護期間はA名誉教授の死後38年、つまり、2036年12月31日までとなります。
現行著作権法施行時の附則により、旧著作権法に基づく保護期間の計算による場合と現行著作権法に基づく場合とを比較して、保護期間の長いものの方が採用されることになっています。